煎じ薬のすすめ・利点

漢方について

漢方は2千年以上前に中国で誕生した医学です。
特徴としては、お話を聴き、脈を診て、匂いを嗅ぎ、顔色・体格などや舌の状態を見ることで症状の把握を行い、天然の植物や鉱物、動物を使用した漢方薬を服用することで症状の改善を行ってきました。
現在、古来より伝わる天然素材のみを使用している漢方薬(煎じ薬や丸剤・散剤など)と服用しやすいように加工したエキスや錠剤などがあり、生活スタイルに合わせて皆様に提供させていただいております。

お薬について-煎じ薬とエキス製剤(顆粒・細粒・錠剤)の違い-

煎じ薬のすすめ・利点

柑橘の香りをかぐと、スーッと心が爽やかになりませんか。
樟脳の香りをかぐと、頭の詰まりが取れるような気がしませんか。
辛いものを食べると汗が出てきます、
酸っぱいものを食べると、唾液が溢れてきます。
人は香りや味からもいろいろな情報を得て、体が反応します。

香りや味も含めた、生薬(天然の薬)に対する体の反応を、
昔の人が鋭い観察力で見極めて体系化し、治療に利用してきたものが漢方薬です。

いろいろな剤形(薬の形)

代表的な漢方薬の剤形

丸剤
散剤
煎じ薬
エキス製剤
  • 煎じ薬:生薬を水と一緒に、ことこと弱火で煮込んだもの。
  • 散剤:生薬を細かい粉末にして、そのまま飲める状態にしたもの。
  • 丸剤:生薬を細かい粉末にした後、ハチミツなどで練って粒状にしたもの。
  • エキス製剤(顆粒・細粒・錠剤):煎じ薬から水分を飛ばし、添加剤を加えて顆粒状や錠剤にしたもの。

この内、「煎じ薬」「散剤」「丸剤」は漢方薬が誕生した時代からある剤形です。
一方でエキス製剤は近年誕生した比較的新しい剤形です。

例えば「葛根湯」のように、処方名に「湯」が付く漢方薬はもともと煎じ薬として作られていました。
また「当帰芍薬散」のように「散」が付く漢方薬は本来散剤で、「八味地黄丸」のように「丸」が付く漢方薬は丸剤として作られたものです。

煎じ薬について

煎じ薬は生薬と水のみで作られているため、余計なものが入っておらず、生薬本来の力を存分に発揮できる剤形です。
また原材料である生薬の品質を容易に確認できるという利点があります。
漢方薬がしっかりと効果を発揮するためには、その人に合った処方を選択するのが最も大切なことですが、品質の良い生薬を使うこともそれと同じぐらい重要なのです。

栃本天海堂 福島薬局では、栃本天海堂が厳選した生薬を使い、すべての漢方薬を作っています。
栃本天海堂は創業時から90年近くもの長い間、品質の良い生薬がどういうものであるのかを専門家として見極め続けてきました。
そんな生薬屋さんの生薬を使った煎じ薬を飲んでみませんか。

煎じ薬の特徴・利点

  • 薬と水のみで作られているため、添加剤などが入っていない
  • 消化吸収されやすい
  • 原材料である生薬の品質を容易に確認できる
  • 非常に香りが高く、漢方薬本来の味を味わえ、五感で漢方薬の効果を得ることができる
  • 個々の生薬の特徴に応じて煎じ方の調節ができる

煎じる時間も大切なひととき

「煎じ薬」は手軽に服用しやすい「散剤」「丸剤」「エキス製剤」に比べ、服用する前に煎じる必要がありますが、その手間も不調を治すための大切なひと手間になります。

何故なら漢方では五感(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚)の要素も治療の一環として大切にしており、煎じる時間はこの五感を刺激する大切な時間でもあるからです。

お忙しいときは

とはいえ、様々なライフスタイルがある現代では、毎日煎じ薬を作るのが難しいという方や飲みたいけれども旅行先や出張先には煎じ薬を持って行くのが大変という方もいらっしゃると思います。
そんな時は煎じ代行サービス(専用の抽出機を用いて漢方薬を煎じ、煎じた液を1回服用分ずつパックするサービス)も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

栃本天海堂の取り組み

栃本天海堂の生薬の「品質評価と安全性管理」に関する取り組みは、栃本天海堂のホームページにて紹介しています。
https://www.tochimoto.co.jp/company/safety/index.html

栃本天海堂福島薬局(大阪市福島区:漢方相談)
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